歌に生き愛に生き~ピアフの歌声~
先月末から、日本でも公開され話題になっているエディット・ピアフ。
彼女の名前を知らない世代の人にも、その凄まじい生き方と愛に満ちた歌声を聴いていただくことは、私にとってとても嬉しいことです。
波乱万丈の人生、歌に生き、愛に生きた人生。
彼女の歌は私にどんな時でもメッセージを送ってくれます。
「愛しなさい。歌いなさい・・・と。」
私は、ピアフの歌に出会うことがなかったら、きっと歌っていなかったと思います。
今まで私を歌の道に進むことを決意させてくれた歌手が何人かいますが、ピアフに出会わなければシャンソンに出会わなかった、宿命のような歌手です。 それから何年もたっていても、私のこころの軌道修正をしてくれるのも彼女の歌声。
はじめてピアフの歌を聴いたとき。
それは、まだ私が13の時でした。
13でシャンソンにしびれたというのもおかしい子供ですが、その時私の全身に鳥肌がたったのです。
あれは13のクリスマス・イブの日。私は翌日、喉の腫瘍の手術を控えていて、なにをする元気もなく勇気もなく、呆然としていた夜でした。
その時、もう私は歌手になる夢を持っていて、子供ながらにいろいろな場所で歌謡曲を歌う。
前座歌手をしていた頃ですから、もしかしたら声帯のすぐ脇にできた腫瘍を摘出する手術で、声を失うかもしれないという、絶望的な気分でした。
誰が来ても口をきかない私に、その夜、私の母が何を思ったのかピアフのCDと自叙伝をクリスマスプレゼントにくれたのです。
シャンソンなんてきいたこともないのですから、何のことだかさっぱりわからない。
そのクリスマスイブの夜、自叙伝を読み、生きる勇気、歌う勇気、愛の深さをその本から学びました。
そして、ヘッドホンで聴いた「愛の讃歌」。初めて聴くピアフの歌声に、ボロボロと体中から涙が溢れてきました。
その時の感動と冷たくひんやりとした薬の匂いのする寂しいベッドは今も忘れることができません。
世界中の中の悲劇のようなつもりでいた孤独でちっぽけな子供は、この時はっきりとピアフのように生きてみたいと強く思ったのです。
そのときの思いは今も変わりません。
思いきり歌を歌っていきたい。 沢山の愛を歌いたい。
あの時助けてもらった私の声は、ピアフの愛だと信じています。

2007-10-27 (土) NEW!!
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