シャンパーニュ・ライブ
今年は例年よりも早い梅雨入り。今日はまた雨が寂しそうに降っています。
一昨日の日曜日には新宿にある老舗シャンソニエ・シャンパーニュでのスペシャルライブがありました。
昼夜共に予約完売。多くの皆さまにお越し頂き、とても嬉しく思っております。
遠方よりいらいらした方も多いと伺いました…。
ありがとうございました。
シャンパーニュというライブハウスは、私にとって特別な場所です。17の時に学生服だった私は、このシャンパーニュというお店でシャンソン歌手としてデビューしました。
緊張に手を震わせながら、はじめてお店のドアを開けた瞬間は今でも昨日のように覚えています。
オーディションにその場で合格を頂き、その翌日から毎日のように通い、たくさんのシャンソンを歌い、たくさんの素晴らしい出逢いをしました。
未成年で生意気な私を本当に暖かい目で育てて下さったオーナーでもあり、シャンソン訳詞家である矢田部道一さんがいらっしゃらなければ、私はきっとシャンソン歌手としてスタートをすることは出来なかったでしょう。
昨年、急遽体調を崩され入退院を繰り返されていた矢田部さん(私たちは親しくムッシュと呼んでおりました。)。今年の3月病院へお見舞いに伺ってライブの報告をした時には、点滴の管が痛々しく感じたものの、とてもお元気そうで、私の活動とシャンパーニュでのライブを泣いて喜んで下さいました。
しかし…、一昨日のライブのちょうど一週間前にムッシュは天国に召されました。
数日前にそのことを私は知ったのですが、その日から私は腑抜けの殻のようになってしまい、このまま当日歌うことが出来るのか不安でどうにも気持ちの整理のしどころがなかったのです。
しかし、湿っぽいことが嫌いだったムッシュですし、私もプロとしてお客様に喜んで頂ける歌を…と強く心に思い、当日を迎え、昼の部、夜の部となんとか無事に歌い終えました。
しかし、夜の部アンコールで「愛の讃歌」のセリフを語り出したところでせきをきったかのように体中の涙が溢れ出し、シャンパーニュと今までの数々の思い出が走馬灯のように思い出されました。
いつも暖かく、そして時に厳しく指導して下さったムッシュの言葉や笑い声、ここで出逢った沢山の素晴らしい出逢いの数々、今は遠い国へ行ってしまいもう逢えない方々、なくした恋…様々な事を思いました。
そして私はシャンソン歌手になったことへの誇らしさと、ムッシュへの感謝と、今まで支えて下さったファンの方々、そして当日お越し下さったお一人お一人へ精一杯の「愛の讃歌」を歌い終えました。
どんなことがあっても、これからも私は歌い続けていきたいと思っています。
それが私に出来るただひとつのことなのですから…。
皆さま、本当にありがとうございました。
天国に旅立ったいった矢田部道一さんに心よりご冥福をお祈り致します。


