赤ちゃん、絵本に出会う
「うちの子、絵本を見ないんです・・・」
と、お母さん。
6ヶ月くらいかな?初対面のわたしにもしっかり目を合わせてくれる、賢そうな赤ちゃん。絵本が楽しめないはずは無いという気がします。どれどれ、わたしが読んでみましょう。
「いない いない ばあ にゃあにゃが ほらほら 」
赤ちゃんは、読み手のわたしをじっと見つめています。
良いぞ良いぞ。
「いない いない・・・ ばあ」
ページをめくった瞬間に、赤ちゃんの視線は素早く、絵本の「にゃあにゃ」へ移動。そしてまたこちらをじっと見て、次の言葉を期待する様子。
「くまちゃんが ほら ね」
赤ちゃんの視線は相変わらず、じぃーっとじっとわたしに。
でも、次のページをめくった瞬間には、その視線はやっぱり絵本の方へ。
たいていのお母さんは、この辺りでじれったくなるようです。
「お顔ばっかり見てないで、ほら、絵本はこっちだよ!」
いいえ、お母さん、赤ちゃんはちゃーんと見ていてくれますよ。読み手の顔をじっと見て、時々絵本のほうへちらりと視線を送る。これが、始めて絵本に出会った赤ちゃんの反応です。絵本を読む間じっと動かないでいるのは、最大限の関心を寄せてくれている証拠。まだ1人ではお話の世界へ入って行けないので、きっと赤ちゃんたちは、絵本という不思議な世界へ連れて行ってくれる人に寄り添おうとするのでしょうね。
そんな説明に安心したお母さんが、おうちでも絵本を繰り返し読んでくださるうち、赤ちゃんはどんどん素敵な反応を見せてくれるようになります。ページを繰るごとに、にっこり笑ったり、「ほらね!」と得意げな表情をしたり、「おー」と声を出したり。
絵本は1歳位からと書いてある育児書も多いのですが、ピコットでは、もう少し早いうちからお奨めしています。1歳と言えば、動きが活発になる「体の試運転」時期で、やってもらうより「自分でやりたい」気持ちが強いので、絵本も読んでもらうより触りたがって、読み手のお母さんをがっかりさせたりします。初めてのお母さんが赤ちゃんを絵本の世界へ誘うのには、これより早い時期のほうが上手くいくようです。
絵本と3ヶ月で出会った子も、1歳で出会った子も、最終的に絵本との親密度に差はありません。でも、おはなしの世界を親子で一緒に楽しむのには、早いに越したことはない!と、子どもの本屋は思っています。

松谷みよ子/瀬川康男
童心社 ¥735.(税込)
あかちゃんのためのファーストブック特集 by 夢文庫ピコット
