出版業界裏(表?)事情・・・販売中止の巻
少し前のことになりますから、すでに報道でご存知と思いますが、
福音館の月刊誌
“たくさんのふしぎ2月号
おじいちゃんのカラクリ江戸ものがたり
太田大輔 文・絵
が、発売中止になりました。
タバコを吸うシーンが多用されていると、
読者から指摘があったということです。
「喫煙による健康被害と受動喫煙による害についての認識が足りず、このような表現をとってしまったことは、子どもの本の出版社として配慮に欠けるものでした」
上記のようなお断わりとともに、買い取るので返送するようにと、手続きについての連絡が来ています。
理屈としては通らない訳ではないのですが、この件について、わたしは大変がっかりしています。子どもにして欲しくないことを物語からすべて排除したら、子どもの文学は大層つまらない物になるでしょう。
読み手は、現実では経験し得ないことも物語世界では起こるものと承知して、お話を楽しみます。現実の暮らしにふさわしい振る舞いかを分かった上で、あり得ない非日常を楽しめるのが、物語のすばらしい所です。
タバコがだめなら、飲酒や殺人の場面、いじめや暴力の場面もいけないし、空を飛んだり他の時代にワープするのも危険だから止めなくちゃいけない・・・ってことになりませんか?
一部の方の指摘を受けて、急いで作品を引っ込めてしまわず、世の読書人の判断を仰いでも良かったのではないでしょうか?
意見の違いを恐れていては、出版の自由が守れないのではないか。今回のことが他の出版活動に与える影響は大きいのではないか。子どもの本屋のはしくれとして、そんな心配をしています。
販売中止になってしまったので、内容についてここに詳しく書くことが出来ないのですが、「おじいちゃんと孫のルーツと江戸文化を描いて、お話には意外性もユーモアもあり、子ども達に受け入れられる完成度の高い作品」というのが、この本を読んでみての感想です。
で、返品をどうしたかについてですが、
お返しすることになる前に、ピコットの在庫は完売していました。
ピコットのお客様はお目が高く、(^^)
正義感も強く、(^^)^^)
「え、これのトドコがいけないわけ?」
「タバコの場面は他の本にもあるでしょう!」
「だれと誰がいけないと言っているのかしら?」
「うちの子、この本を読ませたからって
タバコを吸いたいとは言わないと思うわ!」
「タバコが理由で販売中止って、太田大八さんに失礼じゃない?」
等などのご意見とともに。
