絵本 死神さんとあひるさん のこと
絵本は「可愛い」かどうかで判断されることも多いですが、
実は、テーマとして、「別れ」「老い」「死」について
扱うこともタブーではなくなって来ています。
むしろこういったテーマは、
絵本という表現方法だからこそ伝えられるとも言えるかもしれません。
例えば、「100万回生きたねこ」(佐野洋子作講談社刊)などは、
みなさんよくご存知ですね。
1977年発行ですが、初めて手にした時には、
「本当に生きてこそ、本当に死ぬこともできる」というメッセージが、
驚きでもあり新鮮でもありました。
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昨夏発行の、こんな絵本があります。
お客様にお奨めしたところ、
お子様とのやり取りについての、こんなメールを頂戴しました。
こういったテーマも受け止められる小さい人の感性に、脱帽。
お母さんの対応も素敵です。
ご承諾を頂いたので、
頂いたメールとピコットからの返信を掲載します。

死神さんとアヒルさん
ヴォルフ・エルブルッフ作/三浦美紀子 訳
草土文化 ¥1,890.(本体1,800.)
それまでアヒルさんは気付いていなかったのですが、、死神さんは、
「あなたが生まれた日からずーっと側にいたのよ。そのときのために。」と言います。
ふたりは何日かを一緒に過ごし、そしてアヒルさんにその時が来ます。
・・・粗筋だけでは不安になる方も多いかもしれませんが、
この絵本は、穏やかで、自然で、しかもおしゃれで、
それでいて、生きるものの生と死が過不足なく描かれた傑作です。
・・・・・・・・・≪かかむ様から ピコットへ≫・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
半年以上前に、「死神さんとアヒルさん」をいただいて行って
そっと本棚に置いておいたんです。
先日ついに4歳の息子の目にとまり、
“これ読んでー”と持ってきました。
初めて読んだ日は、あひるさんが死んでしまったことが
彼には悲しい事だけれどもエピソード的な出来事(?)になったみたいで、
ビックリした顔をしながら口に手をあてているけれども、
少しにやけている(←わかりづらいですよね) という感じだったので、
あぁまだわからないかな…と思いました。
また翌日その本を“読んでー”と持ってきた時に
“あひるさんが死んじゃうんだよね”と同じ表情をしたので、
どうかなーと思いながら読むと…
なんと読み終わるとポロポロ泣き出して、
“ママ、僕が死んじゃったらどう思うー?”と聞いてきて、
そこから死とその本についてしばらく話をすることができました。
それからも何度も彼はその本を持ってきますが、
読むたびに色んな場面で会話ができます。
不思議な本ですね…。
たまたま今日うちに来ていたママ友達が
息子にその本を紹介されていましたが、題名を聞いただけで
“おばちゃんそういうの怖いからー楽しい本がいいな”と
拒否されていました(苦笑)(^_^;)
・・・・・・・・・≪かかむ様へ ピコットより≫・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
息子さんと「死神さん」のこと、興味深く読ませていただきました。
自分の子どもの時を思い返すと、
いつもいつもと言うわけではないのですが、
心の中に何かへの「恐れ」のようなものを抱えていたような
気もします。
それは死とか別れとか、
なにかそういうものだったかもしれません。
そういうものを自覚する時は、
両親に守られている子どもでありながら孤独なものですが、
息子さんの場合は、
お母さんの手引きで、その「恐れ」の箱を開けられたんですね。
生涯で何度となく向かい合わざるを得ないテーマをどう扱うか、
幼児期に体験されたのは貴重だったような気がします。
小さい子どもに「死」というテーマは残酷という考えもありますが、
幼年ゆえ「全部はわからない」という意味で、
心は深い傷からは守られると思います。
今の時期に心の中に、
死についての「スペース」を取っておけば
助けになることもあるのではないでしょうか?
学齢期・思春期と、死についてどのように受け止めていかれるか、
いつかまた聞かせていただける機会があれば嬉しいです。
