メディアジャパン学園ブログ

Next blog

記事一覧

高円寺を出発して
新宿から乗り換えた。
平日とは違い山手線はガラガラだ。

土曜の朝から不機嫌な俺にとっては幸いだ。

たいてい、どこに座ってもかまわないほど車内が空いているときは
優先座席の反対側長い椅子の端に座る。

ドアに近いから降りるときにあまり人の間を通り抜けなくて済む。

それに
端の席だとせめて、左右どちらか片方は隣に人が座らないから
気持ちが少しゆったりする。

だけど、今日は長い椅子の真ん中に座ってみた。
脚を投げ出しても、人に迷惑はかからない。

向い側の窓は動くテレビモニターみたいに外の景色が流れて 続きを読む…
首が痛い。
ジョセフのおなかを枕代わりにしたのが間違いだった。

ケイコはジョセフと俺の朝食を作ると
「今日はお母さんとミュージカル観に行くのよ。」
とまるで夕べは何事もなかったように、
平然と自分のスケジュール通りの行動をする。

「じゃあ、ジョセフ。まず私は協力するといっても
一緒に暮らしているわけじゃないから、
ジョセフと連絡とるのにパソコンでのメールは出来るとして‥。」
手早く帰り支度をしながらも、話す内容はゆうべのこと。
自分のすべきことをちゃんと考えている。

ケイコらしい。

「うん、ちょうど良かったよ、ケイコ。
続きを読む…
になった。
毎日をつまらなくして、
ラクな方ばかり選んで、結局自分のことが嫌いになっていた。
無意識に俺は泣きながらうなっていた。
「欲しいよ、やりがいのある仕事。ケイコは固まった。
酔っ払った俺の顔にではない。
もちろん、ジョセフの存在に。
「ヒロシ!突っ立ってないで中に入って座ってもらえよ。」
座布団をポンポンと叩きながら、
ジョセフはこの部屋の主になっている。
ケイコはジョセフを凝視したまま、何も言わずいや言えずにリビングに正座した。
「ケイコ、驚くだろうがこれは現実なんだ。
ペンギンが人間みたいに話すなんて考えられないだろうけど
進化したペンギンなんだ。」
「ヒロシ、ペンギン 続きを読む…

 
お金とかじゃないと思うよ。
 実際に世の中には上辺だけの条件で人を好きになる子もいるだろうけど、
 そんなの本当の愛じゃないよ。ヒック!
 やっぱり、仕事を頑張っている姿に惹かれた。結婚した。
 そうしたら頑張っていたからお金持ちになった。って順番の方が多いと思うよ。
 第一さぁ~、ヒロシが言うお金を持っていたり、
 出世して車や家がある人のもうすぐ決算期。

仕事が忙しくなる。

どこの会社も『税金を払うくらいなら。』とばかりに
OA機器を入れ替えたがる。
だから納品作業が立て込む、見積もり書作成も増える。

パソコンのデス 続きを読む…

急に部屋が狭くなった。
ジョセフの要望とおり、宅配で10ダースもペットボトルの水を買った。
ジョセフは勢いよく水を飲みながら俺の質問に丁寧に答えてくれた。

「ジョセフ、君はどこから来たの?」

「100年後の世界からだよ。場所は今で言う南極大陸だね。」

「ってことはジョセフいくつなの?」

「説明が難しいんだけど。ヒロシと同世代だよ。」

「そう。で何をしに過去(今)の世界にやってきたわけ?それで俺に何をするの?」

「ヒロシ。そう焦らないでよ。僕もヒロシにわかりやすく話そうとしているんだから。」
そう言いながら、ジョセフ 続きを読む…

眠い。

午後のスーパー。カートを押しながら、何度も居眠りをしそうになった。
ゆうべはあれから、なかなか眠れなかった。
朝方やっと眠ったと思ったら、ジョセフの大声で起こされた。

「ヒロシ!起きて!冷蔵庫の残りもので朝食作ったよ。」
と朝から目玉焼きとハムトースト。
ワカメスープまで。
たぶん流し台の引き出しに入れて、すっかり忘れていた乾燥ワカメだ。

ジョセフは料理が上手だった。
おかしなことだが、本当だ。
「朝ごはんはしっかり食べて一日がはじまるんだよ!」
おふくろみたいだ。
俺は寝ぼけながらジョセフの言うままに朝食を食べ 続きを読む…
いきなり英文がびっしりと書かれている。ジョセフの常用語は英語なのか?こんなことならやっぱり電子辞書を買っておくんだった。とても俺には読めそうにもない。細かいワードで打たれた英文だが、ところどころの単語は解かる。
missionミッション(使命)
ジョセフは誰かからの命令を受けて飛んでいるのかも知れない。
ページを開くとずらっと名前のようなものが書かれている。アメリカから順に色んな国の名前。そして各国名のあとに一段改行して名前が載っている。綴りがなかなか読めない物の方が多いが、アメリカのところにジョージ・ブッシュ、ジャパンのところにヤスオ・フクダと書いてあるところを見ると各国の大統領や首相と要人の 続きを読む…
刺身に煮物、てんぷら...。俺の分までたいらげている。エビのしっぽ一つ残さずに。「新鮮な魚がいい!」とジョセフに言われてふんぱつして買った刺身なのに、僕の食べたのはマグロたった一切れとご飯だけだ。
ジョセフはよく食う奴だ。ペンギンがてんぷら食うなんて聞いたことがない。
「うえっ!ねえ、水これしかないの?」ジョセフがうちの水道水に文句があるらしい。
「なんだよ、その言い方。酒の方がいいとか言うなよ!」
「そんなこと言ってないよ!それよりヒロシはいつもこの水を飲んでいるのかい?」
「悪いか?」ふてくされた俺にジョセフがため息をついた。
「ヒロシ君、君は相当ひねくれているね。誰も攻めてないだろ?この水 続きを読む…
「困るんだよねー。こういうの。
つーか凄く迷惑なんだよねー。まったく。」
同世代の男の声に目が覚めた。
着ぐるみの足らしきものが片方だけペタペタとかかとを鳴らしている。
俺の顔の前で。
俺は路地に倒れていた。
どうやら、出会いがしらにぶつかったらしい。
後ろに倒れて脳振とうを起こしたようだ。
奇妙な足の上にある白い毛のかたまりを見上げた。
白い毛のかたまりの更に上から僕を覗きこんでいる顔は黒い。
ゴーグルを頭に上げた目は意外に鋭く、頭には黄色いコントラスト。
何よりそのクチバシ。
鳥だ!
ペンギンだ!
いや、着ぐるみだ?!
倒れたまま、おののいている僕に向かって
「あのさ。みっともない 続きを読む…

公園の桜が満開だ。
「こんな春の陽気に
あくせく仕事をしている奴はかわいそうだね、まったく。」
と誰かに言われたわけではない。
ただ、なんとなくこの陽気に自分を気の毒がられる前にサボることにした。
営業用車には会社名が入っている。
仕方がないので公園の桜から遠ざかり、一本裏の道に車を止めた。
シートベルトをはずして、ゆったりとリクライニング。
窓を開けてタバコをくゆらせた。
遠くで公園に向かう老人やこどもたちの桜をたたえる声がする。
缶コーヒーとタバコの味が胸に苦い。
別にコーヒーが好きだからというわけじゃない。
タバコも社会人になってから、なんとなく吸い始めた。
たぶ 続きを読む…
ページ一覧: 12