こうちょうPOST

校長室の入り口にある”こうちょうPOST"です。
だれがいれても、何をいれてもかまいません。
学校生活を送るうえで、不満・感動・要望などを生徒のみならず先生がいれてくれてもかまわないPOSTです。
本来ならば直接話してくれればよいのですが、多感な世代の子どもたちには、そのことが大変重荷になることがあります。
その際のお助けマンです。
昨年度は80通ほどの手紙と、3冊の本と、山ほどのお菓子がいれられていました。
お菓子を欲しがっている顔をしているのでしょう、私は
手紙にはすぐに答えます。
切羽詰った状況打破のためにはスピードが肝心です。
スピードのなさが、日本の学校における最大の欠点の一つですから。
一番感動した手紙の内容を紹介します。
常盤木学園は女子校ですが、音楽科のみ男子が十数名います。
科の特殊性、地域への貢献、という点で男子の入学を許可しています。
その男子たちは、購買部の千葉さん(ご高齢の女性)から、いつもお菓子やパンをもらっていました。
大勢の女子に囲まれ、肩身を狭くして学校生活を送っている彼らに、千葉さんが気を使ってくれていました。
昨年度終了間際、彼らはある計画を立てました。
「これほど千葉さんにお世話になっているのだから、なにかお返しをしよう」と。
千葉さんの退職を知ったことも理由でした。
彼らは話し合いを重ね、結論を出しました。
「シュトラウスホール(学校内にあるコンサートホール)で、千葉さんのためだけにコンサートをしよう」
将来世界で活躍する彼らは、今でも日本のコンクールで上位入賞する腕前を持っています。
その彼らが、千葉さんのためだけのコンサートに向けて、練習を重ね続け、当日を迎えました。
その日、一人の生徒が千葉さんを呼びに行き、シュトラウスホールに案内をしました。
真っ暗なホールが、千葉さん入場とともに、パッと照明がつき、最前列に座った千葉さんのためのコンサートの幕が開きました。
数分後千葉さんの目からは大粒の涙がこぼれ落ち、最後までそれが止まることはありませんでした。
男子生徒たちも泣きながらのコンサートでした。
私は手紙を読むまで知りませんでした。私だけではなく、みな知りませんでした。
なんとカッコいい男子生徒たち!きっと世界的に大活躍することでしょう。


