シカとシバって相思相愛関係?

先日、奈良県若草山に行ってきました。若草山へは40年ぶりになります。今回行ったのはハイキングでも無く、遠足でも無く、明日晴れればTeamのメンバーで芝の採集に行くための事前の下見でした。
何故?若草山に芝を取りに行くのかというと、この場所が日本でも古い芝の原産地の一つだからです。芝の種子を採種するために奈良県にお願いして、一部の株を採集させていただくことになりました。
久しぶりに奈良県の若草山周辺を歩いてみると鹿が大変多いのに驚きました。鹿と人とが同じ場所に共存する町だと改めて思いました。本当に良い町ですね!
日本在来シバはシカと共生関係にあります。例えばシバが日本に広く分布しているのは、シカが拡げたという説もあるほどです。ノシバの種子は種の皮が非常に硬く水が種子の中に侵入しにくい堅実種子と呼ばれるものです。この堅い種皮がノシバの種を発芽しにくくしています。(西洋芝は種子で芝を作りますが、ノシバ・高麗シバは種子を利用しません)シカはシバとともにこの種子も食べます。種子は胃で消化されずに排泄されます。排泄物の中で種子の皮は湿度を保たれ柔らかくなり、発芽しやすくなります。芝はこうしてテリトリーを拡大してきたと言われています。それ以外にも共生している部分があります。ノシバは冬期に茶色くなります。これは休眠という状態です。気温の高い時期には何よりも旺盛なシバもこの時期は活動を停止していますので、他の植物が侵入すると簡単に負けてしまいます。日本芝は地上部が枯れているのでシカは、侵入した植物のほうを食べます。そうしてノシバは守られます。実験でシバ地の周りを囲って、シカを入れなくして調査したことがあったそうです。そうすると1年したら他の植物に覆われたそうです。そのことからも、シカとシバは切っても切れない共生関係にあると考えています。
